縁あって我が家に来た野良ショ・オサムは「行丸-ゆきまる-」と名前が変わり新しい家族となった。ここはそんな行丸のわりと暇な日常を書き綴った日記。2012年4月に虹の橋を渡ったゆきまる。そして今は飼い猫修行中の「ジュリー(仮名)」をお預かり中。そして2016年4月、ジュリー社長はめでたく関西支社へ栄転の運びと相成り候。
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ゆきまるが虹の橋を渡って、もう4ヶ月近くたちます。
あのシマシマ模様がふっと横切るのも減り、少しずつ気配が消え、おかあちゃんとおにいちゃんは毎日、なるべく変わらないような日々を送るように心がけていますが、お兄ちゃんは時々、夜中にゆきまるの動画を見て泣いているのをおかあちゃんは気がつかないフリをするしかなくて。
ここ最近、近所にガリガリに痩せた虎猫さんが現れるようになりました。
ご近所さんによると、昔飼い猫で、野良になって随分時間がたち、もう15年もこのあたりをうろついているそうな。
呼んだら近づいてきて抱っこもさせてくれました。が、すごいノミ。
そして鼻気管炎の症状で顔や体が汚れまくり。
とりあえず、家に連れ帰り、汚れを拭き(全身症状が悪すぎで洗えない)、食事を与え、ゆきまるが飲み残した抗生剤とプレドニンを飲ませて様子見することにしました。
家に保護しておこうかと思いましたが、去勢されているし、どうしても外に出たがるので仕方なくリリース。
およそ4日間、同様の処置をしたら少し小奇麗になって、ああ、薬がよい方向に効いたんだな、と喜んでいたら、以後現れなくなりました。
もともと自由に生きてきた子はやはりお外がいいんだろうな、と何度も顔や体を拭いてあげたお兄ちゃんも「縁がなかったんだね」と納得した様子。
お兄ちゃんに一番懐いていたのはゆきまるだったから、お兄ちゃんにとってもNo.1はやはりゆきまるなんだろうね。
近所には、本当に多くの地域猫を見かけます。
こっそり世話をしている人もいますが、それはもう暗黙の了解のようにルールに従って世話している模様。
無責任に引越しで置いていかれた子、勝手に遺棄された子、避妊せず餌付けされ野良として生まれてしまった子、様々でありながらどこでも聞く同じ事情がここにも存在していました。
そしていつか、おかあちゃんにもその事情が直接降りかかってくる時がくると覚悟しています。
でも、おかあちゃんとお兄ちゃんの本音はひとつ。
もう少し長く、ゆきまると暮らしたかった。
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諸事情によりYouTUBEにある動画を全て削除しました。
あまりにも迷惑メールが増え、メールアカウントとYouTUBEがサービス連動している為、動画だけ残すこと=放置、が忍びなくて。
でも、「ニコニコ動画」にも同時アップしてありましたのでよろしかったらこちらをご覧下さい。
「オラが一番セクシー」
「ゆっくりボケていってね」
「ゆきまる賢者モード」
「お兄ちゃんと遊ぶぉ」
「おやつウマー」
「つぶれマーブルチョコパンいかがッスか〜」
「何がしたいのだ?人の子よ(ボク眠いんですけど)」
「ゆきまるぶちゃいくお昼寝」
「ゆきまるお昼寝」
「俺のMAX POWER見せてやるぜ!」
新盆が近づき、ゆきまるの残像と座っていた座布団の匂いが濃くなってきました。
お供えのオヤツはやっぱり、ジャーキーかな?
納骨をしようかお兄ちゃんと話をした。
代々の猫達が眠っているペット霊園はさほど遠くない場所。
人間もいずれはお墓に納まるのが慣わしではあるのだけれど…
お兄ちゃんは、納骨したほうがいいと言う。
でも、どうしてもお母ちゃんの気持ちに踏ん切りがつかない。
いまでもゆきちゃんの残像が、家のあちこちに残っている。 お兄ちゃんの枕の上、布団の上、お母ちゃんの机の上、コタツの中、洗面所の横…
いつも視界の端っこに、あの縞々模様がふっと横切る。
納骨をしたらそれがみんな少しずつ消えていってしまうような気がする。
もう少し…もう少しここに居てくれるだろうか。ゆきちゃん。
画像は、ゆきまるがまだ「おさむ」と呼ばれ、横浜の会社でお世話になっていた頃。
うちに来たときに、ゆきまるはいつも何かを訴えていた。
『ボクをオジサンたちのところへ返して!』そんなふうに聞こえた。
慣れたらきっと落ち着いてくれる。そんな風にも考えていたけれど…
ゆきまるにとって、あそこが一番幸せな場所だったんじゃないか、と最近ふと思ったりする。
虹の橋のむこうに行ってしまった行丸から「母の日」のお花とメッセージが届いた。
種をあかせば、野良っ子だった行丸をお世話してくださっていたボランティアの猫ママさんが、行丸から受け取った言伝にお花を添えて送って下さった。
そして、ゆきまるへの手向けのお花も。
驚くと同時に、ゆきまるを亡くして落ち込んでいる私をどうにか慰めようと一生懸命に考えてくださっている事に深い感謝をすると同時に、ボランティアさん経由での里子って、いろいろな意味でいいものだな、と感慨深い。
ゆきまるが我が家に運んできてくれたのは、笑顔と慰めとちょっとの心配。
そしてそのぽよぽよのおなかに、我が家の不運と災いの一切を詰め込んで、持って逝ってしまった。
猫や犬は確かに手がかかる。
病気もする。旅行になんか気軽に行けない。
長時間の留守番など、こちらが心配になってくる。
それでも、彼らが与えてくれた幸せな時間は何者にも代え難いものだったと、失ってみてわかる。
気がつけばよそのお宅の猫動画を見て顔がほころび、いつのまにか「里親募集」の掲示板を眺めている自分。
ゆきまると同じ子はいない。
わかっている。
それでも、歳をとりすぎて行き場のない子、病気のある子を抱えている厳しい状況のボランティアさんへの一助になる可能性を無意識に探しているのかもしれない。
もう、飼うことは出来ないが。
ゆきまるが残していってくれた大切なもののひとつが、ぐーやまさん、猫ママさん、Yさんとの繋がり。
大切にするよ。ゆきまる。
ありがとう。
しばらく入院していたおかあちゃんは、GW前に家へ戻ってゆきまるの祭壇に手をあわせる。
ごめん。やっと帰って来たよ。
おにいちゃんひとりが世話していたけどしっかりやってくれていたようだ。
祭壇の前には、ゆきまるがまだ横浜の工場で里親募集をかけていた頃から、そしてずっと気にかけていて下さったぐーやまさんからお花が届いていた。
そして、給餌のお世話をして下さっていた猫ママさんからも、何度も何度も、落ち込むおかあちゃんを励ますメールを送って下さった。
ゆきちゃん、君は、みんなにこんなに愛されて本当に幸せな子だね。
できればもっと長く元気で生きて欲しかったけど、おかあちゃんは考えるんだよ。
手術のできない状態で無理に延命してチューブに繋がれて苦しくて痛いままで身動きとれないのは、それは幸せとは言えないだろうと。
人間だってそれはきっと誰も望まないだろうし、お母ちゃんも望まない。
自然死は苦しい。
見守る者にとってもそれは拷問のような長い長い時間だ。
苦痛で転がりまわるゆきまるに何度も痛み止めを打ってもすぐ切れる。
ゆきまるが、おかあちゃんの靴を、前足の爪でしっかり掴んだときに、おかあちゃんの心は決まった。
「安楽死を」
この決断を表立って言わなくても非難する人もいるだろう。
その批判は甘んじて受けよう。その覚悟で決心した事だから。
過去、多くの猫の臨終を見送ってきても、決して慣れることなどないそれぞれの壮絶な最後の時間。
車に轢かれて悶死する飼い猫を見守った幼少の頃のトラウマ。
毒物らしいものを舐めて、苦しんで逝ってしまった子猫。
獣医に安楽死を勧められながらも、助かって欲しい一念で治療を続け、結局苦しめてしまっただけ、と気がついたその瞬間。
その中でただ一匹、13年間実家で生きた三毛猫。
いつのまにか向うから勝手にやってきて住み付いた変り種だったが、この猫こそ、私の生涯で一番大切なことを教えてくれた。
まともとは口が腐っても言えない家庭環境の中で、この猫の母性が唯一私を救ってくれたのだ。
その猫は、老衰で私の膝の上で静かに逝った。まさに「天寿」だろう。
ゆきまるにもそんな臨終であることを願っていたが、やはりこの時代は小動物の寿命を全うするには厳しすぎた。
放射性物質拡散による様々なペット用品の汚染。
魚ロンダリングによるペットフードの汚染、猫砂(ベントナイト)、水道水、空気まで。
かつての重金属汚染に加えて人間の食用に適さないものがペットフードとして、市場に野放しになっている現状。
おかげで動物病院は連日大繁盛だ。
もう少し落ち着いたらそれについてのデータを開示しようと思っている。
そして今思うのは、自然死で看取るのも安楽死でも、結局は残る後悔は同じだということ。
「あのときにああしていれば」、「これがきっと原因」と後に残る飼い主は悶々と考え苦しむならば、断末魔の苦しみを救ってやれただけ良かった、と私は思う。
それはやはり、轢死した飼い猫へのトラウマなのだろう。
49日過ぎるまでは祭壇もブログもこのままにしておき、時々更新するかも。
きれいなお花、ありがとう。
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